生活習慣病の主な病気
高血圧
高血圧とは、血圧が慢性的に高い状態が続く病気です。血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の壁に与える圧力のことを指します。この圧力が長期間高い状態で続くと、血管の壁に負担がかかり、動脈硬化が進行しやすくなります。
高血圧は「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」とも呼ばれることがあり、自覚症状がほとんどないまま進行することが多い病気です。しかし、体の中では確実に血管のダメージが進んでおり、放置するとさまざまな合併症を引き起こす可能性があります。
血管は全身に張り巡らされているため、高血圧の影響は全身の臓器に及びます。特に脳、心臓、腎臓、目などは血管が豊富な臓器であり、高血圧による影響を受けやすい部位です。
高血圧が続くことで起こりうる主な合併症には、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、心不全、慢性腎不全、眼底出血などがあります。これらの疾患は生活の質を大きく低下させるだけでなく、生命に関わる重大な病気です。
高血圧の治療では、食事療法(減塩など)、運動療法、体重管理などの生活習慣改善が基本となり、必要に応じて降圧薬による治療が行われます。
脂質異常症
脂質異常症とは、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)のバランスが崩れた状態を指します。具体的には、LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が高い状態、中性脂肪(トリグリセライド)が高い状態、あるいはHDLコレステロール(善玉コレステロール)が低い状態などが含まれます。
脂質異常症は以前「高脂血症」と呼ばれていましたが、現在では脂質の異常な状態全体を含めて脂質異常症という名称が用いられています。血液中の脂質バランスが崩れると、血管の内壁にコレステロールが沈着し、動脈硬化が進行します。動脈硬化が進むと血管が狭くなり、血液の流れが悪くなることで、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの重大な疾患を引き起こす可能性があります。
脂質異常症も高血圧と同様に自覚症状がほとんどないため、健康診断で初めて異常が見つかるケースが多い病気です。治療では、食生活の改善や運動習慣の見直しを行い、必要に応じて脂質を下げる薬剤による治療を行います。
糖尿病
糖尿病とは、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高い状態が続く病気です。特に生活習慣と関係が深いものが2型糖尿病であり、日本人の糖尿病の大部分を占めています。食事によって体内に取り込まれた糖は、インスリンというホルモンの働きによって細胞に取り込まれ、エネルギーとして利用されます。しかし、インスリンの分泌量が不足したり、インスリンの働きが低下したりすると、血液中に糖が過剰に残り、高血糖の状態が続くことになります。<_/p>
高血糖が長期間続くと、血管や神経に障害が起こり、さまざまな合併症を引き起こします。特に注意が必要なのが「糖尿病三大合併症」と呼ばれる・糖尿病網膜症・糖尿病神経障害・糖尿病腎症です。さらに動脈硬化が進行しやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高まります。
糖尿病の治療では、食事療法、運動療法、薬物療法を組み合わせながら血糖コントロールを行うことが重要です。
痛風(高尿酸血症)
高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が高い状態を指し、尿酸値が高い状態が続くと、尿酸の結晶が関節に沈着し「痛風発作」を引き起こします。痛風発作は突然起こる激しい関節炎が特徴で、特に足の親指の付け根に強い痛みや腫れが生じることが多く、「風が当たっただけでも痛い」と表現されるほどの激痛を伴うことがあります。
患者様の多くは30〜50代の男性で、女性に発症することは比較的少ないとされています。尿酸値が高い状態を放置すると、関節炎だけでなく腎臓に尿酸結晶が沈着し、腎機能障害や尿路結石を引き起こすことがあります。そのため、尿酸値の管理が重要になります。
肥満症
肥満症とは、体脂肪が過剰に蓄積し、それによって健康障害を引き起こす状態を指します。単に体重が多いだけではなく、肥満によって糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を合併している場合などに「肥満症」と診断されます。
肥満の評価には、体格指数(BMI)が用いられます。BMIは体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値で算出され、日本ではBMI25以上が肥満とされています。BMI30以上の場合には高度肥満に分類されます。特に内臓脂肪が多い「内臓脂肪型肥満」は、メタボリックシンドロームの中心的な要因となり、生活習慣病の発症リスクを高めることが知られています。
肥満症が進行すると、
- 糖尿病
- 高血圧
- 脂質異常症
- 心筋梗塞
- 脳卒中
- 睡眠時無呼吸症候群
- 脂肪肝
- 関節疾患
など、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。
肥満症の治療では、食事療法、運動療法、行動療法などを組み合わせ、無理のない体重管理を行うことが重要です。