結核はかつて日本で多くみられた病気であり、現在でも世界的には依然として重要な感染症の一つとされています。医療の進歩や生活環境の改善により患者数は減少しているものの、日本でも毎年新たに結核と診断される方が報告されており、決して過去の病気ではありません。
結核菌は主に肺に感染することが多く、この状態を「肺結核」と呼びます。肺以外のリンパ節、骨、腎臓などに感染する場合もありますが、感染の多くは肺に起こります。肺に感染すると炎症が起こり、咳や痰、発熱などの症状が現れるようになります。
結核の特徴の一つは、感染後もすぐに症状が現れるとは限らない点です。結核菌が体内に侵入しても、多くの場合は免疫機能によって菌の増殖が抑えられ、症状が現れない状態で経過します。この状態を「潜在性結核感染」と呼びます。しかし、加齢や疲労、慢性疾患、免疫力の低下などがきっかけとなり、体内に潜んでいた結核菌が再び増殖し、肺結核として発症することがあります。(二次感染)
特に高齢者では、若い頃に感染した結核菌が長い年月を経て再び活動し、発症するケースがみられます。そのため、日本では高齢者の結核が一定数みられるのが特徴です。肺結核は適切な診断と治療を受けることで治癒が期待できる病気ですが、診断が遅れて症状が悪化し、周囲の人に感染が広がる可能性があります。長引く咳や体調不良がある場合には、早めに医療機関を受診することが大切です。
